2013年06月08日

今日はアルシオーネの誕生日


1985年6月8日はアルシオーネが国内で発売された日
28年前の今日、この日本での歴史が始まった

また一年間、無事に過ごせたことに感謝
ズボラなオーナーで辛い想いをさせてるような気がする
早めに改心しないとな

丁度、rairalusea さんから当時の貴重な資料をいただいたところ

▼rairalusea さん
http://minkara.carview.co.jp/userid/1469019/profile/

発表当時のCARTOPIAからアルシオーネの紹介記事を抜粋引用

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NEW MODEL
ALCYONE

アルシオーネ
まばゆいばかりのエアロフォルムをまとった最新の高速4WDテクノロジー
もっと速く、それ以上に安全で快適であることを求めて
世界初の2プラス2 4WDスペシャルティ
独創と先進のスバルから、4WDアヴァンギャルド・アルシオーネ誕生

※アルシオーネは、スバル(プレヤデス)星団の中でも、ひときわ明るく輝く星「アルキオネ」を英語読みしたものです


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 スバルの新しい星・アルシオーネ(海外名はXT)は、水平対向エンジン、2プラス2、空力追求に加えて、4WD、EP-Sなどスバルらしい機能を生かした"スタイリッシュで高性能な新しいジャンルの高速ツーリングパーソナルカー"。
そのエアロダイナミックなスタイルと経済性、快適性は、今までにない走りの世界を見せてくれます。
 スバル全シリーズのイメージリーダーカーは、同時に乗る人に限りない夢を与えてくれる、スペシャルティカーなのです。

世界最小レベルの空気抵抗を達成したエアロシェイプスタイリング

 空気抵抗は、速度の2乗に比例して増加し、所要馬力は速度の3乗に比例して増加します。
これからの高速車にとって、空気抵抗の低減は、総合性能の向上を図るうえで最大のテーマ。
特に高速域での加速性能、操縦性能、経済性、静粛性等の要件を同時にレペルアップしていくための手段として最も効率の高いものです。
 アルシオーネは、国産車で初めてCD=0.29を達成しました。
その空力追求の一部からご覧ください。

■フロントフード面の形状と高さは、空力抵抗および揚力に大きな影響を与えます。
その点、水平対向エンジンは低いフード面を実現するための大きなファクターであり、さらにこの低重心エンジンの特性を最大限に生かすため、補機類のコンパクト化とエンジンルーム内のレイアウトについて、徹底的な検討が加えられ、また、リトラクタブルヘッドライトの採用とあいまって、パンパーから空気がスムースに駆け止がる理想的なフード面を実現しました。

■フロントウインドゥの傾斜角は、空気抵抗を左右する大きなポイントのひとつ。
フロントフード、ルーフなどを含めた入念なテストの結果、28度が選ばれました。
さらにワイパーも空力特性の向上を狙って、ライズアップ格納機構をそなえた、コンシールドタイプを採用。

■エアダムスカートは、空気抵抗と揚力、さらに冷却性能に影響を与えるパーツ。
ミリ単位での検討を繰り返した緒果、サイズ、形状とも空気抵抗と揚力の低減の理想的なバランスを実現、冷却性能も十分なものとなりました。

■スベースドアミラーは、空力的に最も理想的なフォルムを追求した結果、スペースシップのノーズコーンを思わせる形状を採用。
また、ステーを用いて本体をボディから離すことによって、ボディ表面に空気の乱れが発生するのを防ぎ、空気抵抗の低減を図っています。

■エンジンルームを通過する内部流は、その大半がエンジン冷却の役割を果たします。
内部流を減らせぱ空気抵抗は減リますが、冷却性能の低下を招きます。
この相反するファクターをバランスさせるために、パンパーおよびノーズ下部に設けたエアインテークは、位置、サイズ、グリルフィンの角度、ラジエターサイドダクト、アンダーカパーの形状等、徹底的に検討を加えました。

■ガラス面とピラーの段差は、キャビン周辺に空気の大きな乱れつくリ、空気抵抗の増加と風切り音の原因となります。
アルシオーネは、フロント、サイド、リヤともガラスエリアはすべてダイレクトボンド処理とし、サッシュレスドアとあいまって、フラッシュサーフェス化を徹底。
さらにドアハンドルにもボディ表面に対する凹凸を完全になくした、エアプレーンタイプを採用しています。


■三次曲面ガラスを採用したサイドウインドゥと、内側に約50ミリ絞り込んだウインドゥによる理想的なラッブラウンド形状が、ガラスエリアのスムースな空気の流れに大きな効果を発揮します。
リアウインドゥのゆるやかな傾斜と明確なノッチを持つトランクリッドで構成されるリヤボディ形状は、アルシオーネの最も特徴的な部分ですが、すべては空気抵抗の低減を追求した結果です。

■タイヤハウスに巻き込まれる空気は、大きな乱れを発生し空気抵抗を増加させる原因となります。
サイドエアフラップは、ボディサイドの気流をスムースにタイヤハウスの外側に導き、この部分に発生する乱れを最小限に抑える役割を果たしています。
また、ホイールの凹凸面によって発生する空気抵抗も無視できません。
しかしホイール面を完全にカバーすればプレーキの冷却効果が悪化します。
フラッシュサーフェスホイールカバーは、最大効率の換気孔を確保しながら、極めてフラットな形状に仕上がっています。

■車が移動すると、その後方には気流の乱れから生じる空気の渦が発生します。
ルーフから車体後方ヘスムースに空気を流してその空気の渦を最小限に抑えるためにはトランクリッドの高さがキーポイント。
ハイデッキ&ダックテール形状は、空気抵抗と揚力低減のために大きな効果を発揮します。

■テール部分を特徴づけているリアバンパーの下端形状は、空気抵抗を減らすスポイラーの役割を持たせ、ボディ下部に流れる空気を整流して、車体後方にスムースに流すために大きな効果を発揮しています。


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 アルシオーネは、高速ツーリングカーとしての機能性とバーソナルカーとしての快適性をそなえた、スペシャルティカーにふさわしい、先進的なインテリア・デザインでまとめられています。

新体験の操作フィーリング、ラグジュアリー感あふれる2プラス2キャビン

 アルシオーネのコクピットデザインは、飛行機創りの思想に多くの示唆を受けています。
ドライパーフィーリングに寄せた、高感度オペレーションシステム--。

■メーターパネル&コントロールウイング一体可動のマルチアジャストステアリング
●テレスコピック機能
まるで操縦桿のようなフィーリングで、ステアリングを手元に40ミリ無段階にアジャストできます。
●チルト&ハネ上げ機構
ステアリングホイールを基準ポジションから上へ30ミリ、下へ20ミリ無段階にアジャストできるチルト機構。
しかも乗り降リを容易にするために、インパネのノブを引くと基準ポジションから65ミリポップアップするハネ上げ機構をそなえています。
●L宇スポークステアリングホイール
斬新な形状のソフトグリップステアリングホイールは、操作性、メーターの視認性について効果的なデザインであるとともに、この車ならではのコクピット感覚を一層盛り上げてくれます。
●コンビネーションメーター
ステアリングのチルトの動きに応じて、一体で上下にアジャストされ、どのポジションでも最適の視認性が得られます。
アナログメーターは水平O指針方式を採用。
●コントロールウィング
走行時に操作頻度の高いスイッチ類をステアリングコラムから左右に機能的にレイアウト。
視覚的に見やすいだけでなく、ステアリングのテレスコピック&チルトの動きに連動して、前後、上下に一体で移動し、ステアリングから手を離すことなく最良の操作性を保証します。

■エレクトロニック・インストルメントパネル(VRターボATにメーカーオプション)
●カラー液晶表示メーター
メーター類のセンターゾーンにデジタル表示されるスビードメーターとタコメーター。
そして立体的なグラフィック表示ゾーン。
走りの状況を高度にディスプレイするアドバンスドデザインのメーターです。
●トリップコンピューター
走行時の時間と距離に関する各情報(時刻、時刻アラーム、走行時間、加算トリップ、減算トリップ、平均車速)をデジタル表示します。
●クルーズコントロール
右足をアクセル操作から開放し、ハンドルから手を離すことなく指一本で快適なオートクルージングが満喫できます。

■スポーティバケットタイプシート
ゆったりしたサイズ、優れたホールド性、最高級モケット地の心地よい感触が、快適なロングツーリングを約束します。
ドライパーズシートには、スライド&リクライニング機構に加え、無段階調整のシートリフター、ランバーサポートも装備。

■大型成形ドアトリム
ラグジュアリーなカプセル感覚、クロス張り一体成形ドアトリム。
運転席側ドアインナーコンソールにはパワーウインドゥ・メイン、パワードアロック、リモコンミラーの各スイッチをビルトイン。

■オーディオシステム
高惟能コンポーネントを一体でビルトイン。
@タイバシティ受信方式AM/FMマルチ電子チューニングラシオ
Aメタル対応オートリバースカセットデッキ
B6.5インチ4スピーカーシステム。
なお、パワーアンテナはラジオの電源スイッチのON/OFFに連動して伸縮。

■空調システム
シーズンにかかわりなく快適な走りを満喫できる高効率空調システムです。
空調モード切り換えスイッチはコントロールウイングに、温度調節・内外気切り換えのファン調節の操作系はセンターコンソールに、機能別にレイアウト。


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アルシオーネを語る

スバル技術本部
担当部長
高橋三雄さん

アルシオーネは、独創性と国際性を備えた、スバルのイメージリーダーカーです

「スバルは、FF方式の草分けをやり、乗用4WDも私どもが草分けということで、よそがやってない新しいことを、今までもやってきているわけです。
独創性という点では、相当のセンをいってると自認するところもあるのですが、もうひとつ、一般的にアビールしていくということが、この車の狙いというか、企画のスタートであったと思います。

 いま、高性能指向や、スペシャルティカー指向が高まっていますが、スバルは今までやってきたこと、あるいは持っているものを、すべて注ぎこんで、国際性を備えた、高速乗用4WD時代にふさわしい、スバルの"イメージリーダーカー"として独創的なスペシャルティカーを狙う、ということでした。
簡単に言えば"スバルのシンボル"であり"個人の車として一番欲しい車"をつくろうということです。

 アルシオーネの開発は、レオーネシリーズと同時に進めていたわけです。
で、レオーネの4ドアセダンというのは、ウチにとって主力の商品であるだけに、あまり風変りすぎちゃいけない。
非常に広い層をカバーしなくちゃいけない、ということがありますね。
一方、ツーリングワゴンは、多少遊び心があり、また威風堂々たるものにしようと、少し振っているわけです。
それで、アルシオーネは思い切って新しいことをやってみよう、そういうことで狙い方を決めていたわけです。
実は、アルシオーネを前提にしてオールニュー・レオーネがあったわけです。
ですから、アルシオーネ用に開発したものを、オールニュー・レオーネに使ったというのも随分あるんですよ。
従いまして、これが出たことで私どもはやっと筋書きができるようになったというわけです。

 思い切って新しいことをやるといっても、千差万別ありますが、拠り所は三つありました。

 第一は空力ですね。
いま、空力特性の追求が車の先端技術の一つといわれておりますが、これは馬力競争のような絶対値の競争ではなく、効率の競争の時代に入ったとも言えると思います。
効率を上げながら性能を上げていく。
同じように音も静かにして性能を出していく。
乗り心地を良くしながら操縦性も良くしていく。
そういう風に、昔は二者択一であったものが、両方良くしろというわけですね。
で、私どもは空力において、ありったけの力を出したらどこまでいけるのかと、それに挑戦してみようと、具体的にはCD値0・30の壁を破ろうではないかということになったわけです。

 第二は2プラス2というコンセプト。
世の中には、スペシャルティカーといわれながら、4人乗りの車もあります。
しかし、我々は"ゆとり"のあるパーソナルカーをつくろうとしたわけで、中途半端はやめてもっと徹底しよう、徹底することで"ゆとり"を生み出そうと、それで常時二人が乗る前席優先の車ですよ、と割り切ったわけです。
その結果、シルエットが良くなり、空力が良くなったということになりますね。
そういう走りで何を得たかというと、快適な高速巡航。
とにかく目一杯アクセル全開でも、なおかつ快適であるということです。
アメリカや日本などでは速度制限がありますが、ヨーロッパではそういうことが成立するはずです。
で、二百キロを超える最高速で安心して走れるという車は、百キロであっても非常にいいということですね。
アルシオーネは、低速の方から良くしていった結果、アクセル全開まで快適な高速性能を保ち得たということです。

 三番目は、4WDを高速走行のためにどこまで生かし切るか、ということです。
ウチのやり方の4WDの極限を出そうと、この種の車で4WDというのは非常に珍しい。
あるのはアウディぐらいですが、あれはもともとクーペを直しているわけですし、ここまで思い切ったスタイルではありませんね。
高速4WDであるということを、新しいジャンルの車だという狙いでつくったわけです。

 細かい所は各担当者が説明すると思いますが、五分の一モデルができ上がってから全社的に熱っぽさが広がっていきましたね。
例えば、フラット4エンジンは生まれながらに空力的に有利なキャラクターで、これを最大限に生かすべくフード面をいかに下げるか、という検討はこれまで何度も何度も挑戦してきて、これ以上は無理だよというところまでやってるわけですよ。
しかし、もう一度やり直しだと。
五分の一モデルを前にして"これをつくるんだよ、君もつくりたいだろ"と、そうすると"一週間待ってくれ"と知恵を出してくる。
その意味では、私どもを統率し、しかも大スビードアップさせ、アジテーターであったのは、五分の一モデルだったということになりますね。」

 …………………………

スバル技術本部
デザイン室主任
杉本清さん

ダイナミックな躍動感とストリームウェッジのエアロシェイプスタイリング

「車の走りに関するキーワードの中で、4WDは今や安全により早く走るセーフティマージンの高い重要なポイントになりつつあり、高速ツーリング・パーソナルカー、という開発の狙い、また、スバルにふさわしいイメージリーダーカーということに対しアウタースタイリングはその走りのイメージを最大限表現したかった。
つまり「ダイナミックな躍動感」……ジェット機の持つ高性能な走りのイメージとラップさせたわけです。
そして、もうひとつは空力デザインの徹底した追求です。

 この二つのデザイン上の狙いを具体化するために"ダイナミックな躍動感をストリームウェッジを基調とした、空力上優れたボディスタイルに凝縮する"という、デザイン・コンセプトを持ったわけです。

 ストリームウェッジというのは、三角形のくさびなんですけど、単なるくさびじゃないわけで、極端に低いノーズからハイデッキにいたる面、線、それらをいかになめらかに、スムーズに流すか、というのが、まず最大の課題でした。

 ダイナミックな躍動感を表現する上で、この車の生命線といいますか、大前提であったのは、極端に低くシャープなノーズだったわけです。
しかし、その先端を下げるというのが、実は最大の難問でしたね。
結果として4ドアセダンに比ぺると、約80ミリ下げることができたんですけど、それだけに設計者の努力といいますか、挑戦目標を達成したというところに素晴らしいものを感じますね。
通常は補機類の頭の頂点をつないだ線がフード面のベースになるんですけど、今回は五分の一モデルの上にエンジン房内の補機類を再現しましてね、設計者も自分の目で、モデルの変化の差を見て、心底やってくれました。
それから、今回の開発では空力が大きなウエイトを占めていまして、五分の一モデルを削り出した頃から空力技術者と細かい点にいたるまで、徹底的にツメていったわけです。
で、ぼくらはデザイン感覚といいますか、造形上でのつっこみが主体なんですが、彼らの、テストに裏付された空力感覚とでもいうんでしょうか、結果として、それとそう違いがなかったという点が、大きな財産になりましたね。

 例えば、ルーフの曲線はスタートから終りまでの長さの三分の一とか、その辺に頂点をもってきた三次曲面の造形に対し、彼らも試験結果を経て、これが一番ペストであると、結果として一致をみた点がかなりあります。
また、彼らの提案でスタイリングに好結果をもたらした部分も、非常に多く含まれているわけです。

 実際の作業としては、五分の一モデルにかける時間が非常に長かったですね。
スタイルの基本骨格からディテールに致るまで、とことんやりました。
ですから、逆に一分の一モデルはそう時間がかからなかった。
しかし一分の一では特に、ま、昔からの言葉で"紙一重"とかありますけど、例えばノーズのラインなんかも本当に一ミリの差で印象が違ってしまいますからね。
このノーズまわりは、特に削ったり盛ったりということをモデラーの人たちと一緒になって、際限なくやりましたね。
スバルの場合は、図面とかスケッチでは這形はわからない、立体で確認し評価するという、現物主義といいますか良い意味での伝統が受けつがれてきていますから、あくまでも現物で確認するというのが大前提なんですね。

 アルシオーネで東北自動車道をフィーリングし、実際に走る姿を見ましてね、ダイナミックな走りのイメージ、つまりぽくらが求めてきたイメージは出せたなと思っています」


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スバル技術本部
デザイン室
インテリア担当
矢古宇宏さん

操作系を集中レイアウトしたコツクピットと、上質材で統一した、走るパーソナル空間

「パーソナルカーというのを、どういう表現で訴えていくかというのが、インテリアのひとつの課題だったわけです。
そこで、スパルは航空機技術とのつながりみたいな意味でも、飛行機の繰縦席のイメージを入れたコックピットを造ろうと思ったわけです。
スポーツカーの場合は、狭いコックピットがうけるということがあるかと思いますけど、この車は、ある程度ゆったりした空間もあったほうが良い、と考えたわけです。
ファミリーカーの場合は、まっ先にそれ(居住空間)をいいますけど、パーソナルカーとして、スペシャルティカーとして独自性を持つアルシオーネは、やはりゆったりした空間が欲しいということですね。

 それでインパネ本体を小型化し、スペース感覚を大切にしたなかで、飛行機の操縦席を表現してみようと考えて生まれたのが、操作系の集中化であり、マルチアジャスト・ステアリングです。
一時は、ドライバーが座ると常にペストポジションにあってあらゆる機能部品が人間に近づいてくると、それがひとつの理想形なんじゃないかと、例えばペダルだって動いていいじゃないかと、そんなことまで考えて、いたんですよ。

 操作系を集中させたコントロールウイングは、ステアリングホイールに手をかけたまま、いろんな操作がすべてできるということです。
操作部品を頻度、緊急度とかで、いろいろ分析しまして、それらの順位づけをして、それに応じたレイアウトをやりました。
まあ、フィンガーリーチ意識ということで、実走行フィーリングをしながら、検討を進めていきました。

 メーターパネルとコントロールウイングを一体可動にしたのは、全体の形状を同じにしておいて、必要なものだけを動かそうと、そして、常に最高の視認性と操作性を確保しようとい考えでやったわけです。
ポルシェ928もマルチ・ステアリング方式ですが、あれはステアリングに大きなかたまりが載っていて、全体が動くんです。
だから、それはちょっと大げさすぎると、私たちは、もっとスタイリッシュにまとめてみたいという感じで孝えていきましたね。

 次に室内全体の雰囲気について話しますと、インテリア全体の今後の志向としては、高級感とか多様化の表現が大きなポイントだと思っていますが、最近、その表現のひとつにボックスシートという考え方があるんです。
それは、ソフトなものとして使っているシート材と同じもので、ドライバーのまわり全部をそれでくるんであげようということです。
物理的に難しい問題もありますが、それを実現してみようということで、私たちはドライバーまわりのソフト化として、インパネの下側、ドア、コンソールポックスのサイド壁面等々をソフト素材でくるんで上質なインテリアを表現しました。
それを、 私たちは"ハイタッチ・コーディネーショ ン"と呼んでいました。

 また、さらにハイタッチ感ということで は、手でさわるモノに対してスバルの技術の思いを表現したいと思いました。
その象徴がガングリップのシフトレバーですね。
これはまさにジェット機の操縦稈ですが、 私どもが考えるハイタッチ感が伝えられたらいいなあと思っています。
あと、大きな点では、全面液晶パネルによリデジタル感覚を思い切って表現したエレクトロビジョンメーターとか、ピラーレス表現として周りを暗色で扱うカラーリング、各種格納スペースの確保などとか、いろいろあるわけですが、一番苦労したのはステアリングのコントロールウイングですね。
高速テストのフィードバックを受けて実走行の感覚と造形のツメを量産日程ギリギリまで徹底してやったつもりです。

 …………………………

スバル技術本部
車体研究実験部
第サン研究課空力担当
阪上丈一さん

アルシオーネは、まったく新しい走りの世界をトップレベルの空力性能で実現

「我々の仕事は、ほとんど風洞にこもりっきりです。
例えば、コンピュータ解析である程度のことはわかるんです。
車の形状が変わったら、その周囲の流れはどうなるだろうか、それに加わる力はどうなるだろうと計算上出るわけです。
しかし、その部分ではまだ誤差が多くてですね、実際のところは風洞実験を重ねていかなないとダメです。
で、その風洞試験をずっとやることによって、データーをためとくわけです。
自分の懐にこうしたらいいんだということを、一杯持ってるわけですね。
しかし、それを全部出すと車にはならないですよ。
車の格好にならない。
だから、デザインと我々のやりとりがあって、この車はコンセプトからいって、こういうものにしようと思ったら、ある部分は譲り、ある部分は出すということになりますね。
だから、そうした調整が実は難しい仕事のひとつです。

 今回は、CD値0.30を切るのが狙いのひとつだと聞いたとき、見通しは暗いなと思いましたよ。
というのは、いまはどこもO.30を境に鎬を削ってるわけです。
まあ我々のところにも、綿々と積み上げてきたデーターがあり、一方では、将来の車のあるべき姿はこうだろうと、いろんな先行モデルをつくって研究も進めているわけで、そういう意味ではどうすればいいかということは、ある程度わかっている。
けれども、それが果たして技術的に可能なのか、あるいはコストはどうか、市場にマッチするだろうかと、量産に当たってどう調竪していくかというところで、難しい問題が一杯あるからです。
まあ、 結果は目標達成できましたが、その原動力はこの車に関わった人が一丸となって、0.30を切るということに取り組んだからできたことですね。

 空力が車に及ぼす影響はいろいろありますが、 一番わかりやすいことのひとつは、燃費ですね。
大体100か120キロの車速で、かりにCD値が10パーセント艮くなったとしますと、燃費が4〜5パーセント艮くなる。
それから最高速ですね。
これはエンジンのトルクカープによっても違うんですが、例えば我々の計算ですと10パーセント良くなれぱ、7〜8キ回位良くなる。
それから同じ100キロで走っても、空気抵抗によって消費されるエネルギーが少ないですから、エンジン出力として小さくすむ。
音も、ほとんどの部分で空力と利害関係が一致しています。
一部一致しない部分もありますけど、大体、空力が良くなれぱ音も良くなります。
例えば、テストコースで高速試験をやりますと、最高速で走っているアルシオーネは、ほとんど音なしで通りすぎます。
ところが、空力の悪い車はバサバサッていう大きな音ですから、それだけでも空気抵抗の小さい車は、いかに静かであるかがわかるわけです。

 O.29という世界でもトップレペルのCD値を達成できたのは、ひとことで言えぱ各部の徹底した最適化検討を粘り強く行なったから、ということですね。
例えば、リヤガラスの傾斜角は、風洞試験の結果、28度より大きいと大幅にCD値が増加し、28度以下ではCDの減少効果も少なくなるという結果によるものです。

 CD値もトップクラスですけど、実際の空気抵抗の大きさに直接影響するCD×A(全面投影面積)は0.53で、量産車では世界一でしょう。
CDというのは、要するに形状係数ですから車の大きさには関係ないわけです。
ですから、これから気をつけなくちゃいけないのはCD以外の部分です。
で、よくCD×Aというのは実質効力という表現をしますけど、燃費とか最高速の話をするときは、CDじゃなくてCD×Aで議論しなくちゃいけないということです。
単純に言えぱ、CD×Aが小さくなければ燃費はよくならない、最高速も上がらない、ということです。
CLF(フロントの揚力係数)、CLR(リヤの揚力係数)というのは、横風安定性、高速直進性に非常に効くんです。
非常に大きなファクターです。
だから、これが小さくないとまっすぐ走りづらいということですね。

 アルシオーネは見た目カドカドという印象もありますが、空力的にはカドカドでないようにしてあります。
後ろの方も丸くした方がいいという要素はあるんですけど、CDを下げるだけじゃダメなんですよ。
下がるってことは高速が出るってことですから、それ以上にドライバーが安心して乗れる車にならなくちゃいけない。
そういった数字とのバランスですね。
後ろの方はアールをとればとるほど、高速性が悪くなる部位がある。
つまり横風安定性も悪くなる。
だから後ろはCD値を良くするだけじゃなくて、他の数字が悪くならないようにセッティングしています。
大体、CD値のいい車はカドを落とした、丸っこい車が多いわけですけど、この車はそうじゃない。
つまり丸っこくしないでCD値を下げたというところが、非常に辛かったところです」

 …………………………


高橋先生がお若い
先日、お会いした時とのギャップが激しいな

それにしても
これを読んで、改めてアルシオーネの特異性を実感
正に"ONLY ONE"だな
 
 
posted by 五条銀吾 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ALCYONE/関連情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする